映画「バンブルビー」解説&感想 – バンブルビーが恋しくなる。しかしそれ以上にマイケル・ベイが恋しくなる。

映画

こんばんは。ポテチはコンソメ派、さめおです。

ロボットっていいですよね。なんかガチャガチャしてて、秘密の武器もあって、熱い展開もあったりして。更に合体してくれれば完璧。スーパー戦隊モノとか観ていた男であれば、気持ちの大きさに差はあれど、皆同じ心を持っていると(勝手に)思っています。

で、ロボット好きで映画も好きな僕は当然マイケル・ベイさんのロボット映画「トランスフォーマー」シリーズも観ている訳です。一作目観たときには変身シーンのCGに大層興奮しました。えぇ、しましたとも。しかしこういった変身シーンっていうのはシリーズが進むと省略されがちで(アイアンマンとかもそうでしたね)、更にマイケル・ベイがどんどん話をややこしくするもんだから、段々熱は冷めてしまい…。シャイア・ラブーフが主役張った三部作くらいまでは楽しく観ていたんですが、4と5は半分惰性で観ている感たっぷりです。僕以外にもこういうタイプの方、多いんじゃないでしょうか。

そんな少年漫画の長期連載病みたいになっている本シリーズですが、どうやらマイケル・ベイはまだやる気満々のようで、最近流行りのリブートにはまだならなさそう。でもシリーズのマンネリは打破したい製作会社が打ち出したのが本作「バンブルビー」なのです。いやぁ、前置き長いっすね。という訳で早速観てきたので感想をどうぞ!

あらすじ・予告編

父親を亡くした悲しみから立ち直れずにいる少女チャーリーは、18歳の誕生日に小さな廃品置き場で廃車寸前の黄色い車を見つける。すると突然、その車が人型の生命体へと変形。驚くチャーリーを前に逃げ惑う生命体は、記憶と声を失って何かに怯えていた。チャーリーは生命体を「バンブルビー(黄色い蜂)」と名づけ、匿うことにするが……。

映画.comより
『バンブルビー』日本版予告

解説

トランスフォーマー、5作もやってるはずなのに話全然覚えてないんですよねぇ。ほんと不思議。

映画「トランスフォーマー」シリーズについて

冒頭でも軽く触れましたが、念のためシリーズのおさらいから。実写映画「トランスフォーマー」シリーズはこれまでに5作が公開されています。

  • 2007年 – トランスフォーマー
  • 2009年 – トランスフォーマー/リベンジ
  • 2011年 – トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
  • 2014年 – トランスフォーマー/ロストエイジ
  • 2017年 – トランスフォーマー/最後の騎士王

もう初見さんにはだいぶ厳しめのシリーズですね。せめてタイトルに数字でも入れてくれれば…。ちなみに上3作品が三部作扱いで、当時スピルバーグの秘蔵っ子だったシャイア・ラブーフが主役を張っています。彼、最近観ないなぁ…。

で、2014年公開のロストエイジからはキャストを総とっかえして再スタートした訳なんですが、何故か主演がマーク・ウォールバーグになったためキャストの若返りはできていないし、監督マイケル・ベイのままだからあまり作風変わらんしという。そのせいもあってかシリーズ最新作で大きく興行収入も落ちてしまいました。(まぁそれでも赤字にはなってなさそうなので、十分ドル箱映画なんですが…)

基本的には正義のロボット(オートボット)悪のロボット(ディセプティコン)と戦うだけのストーリーなので、シリーズファンじゃなくても観れる!が一つの売りだったはずなんですが、ロストエイジ以降は話が妙に複雑化し、良くわからない状態になっています。これ話の流れわかってるのマイケル・ベイくらいじゃないのかな…。

まぁこんな状態になっているシリーズなので、一度スピンオフというかエピソード0的な話を入れるのは正しい判断だと思います。しかも主役がバンブルビーならオプティマスプライムよりもとっつきやすいし。もうオプティマスも名前コンボイに戻しちゃえば可愛くなると思うよ。

主要スタッフ

監督:トラヴィス・ナイト

2016年公開のストップモーションアニメ映画「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」を監督した事で一躍有名になったお方。興行的にはそこそこだったっぽいんですが、アカデミー賞の長編アニメ賞と視覚効果賞ダブルノミネートで話題になりました。映画未見だから彼についてあまり語れないなぁ…と思いながらネットサーフィンしていたら衝撃の事実が。

なんと彼、かの有名なブランド「ナイキ」の創業者、フィル・ナイトの息子さんだそうで。かつ、そんな父が経営するアニメーション制作会社ライカのCEOみたいで。うーむ、なかなか他に類を見ないタイプの監督さんですね。ボンボンなんだなぁと思いつつもアカデミー賞ノミネート実績もあるので、お金も才能もある人ですね。なにそれ?最強じゃん。

製作:マイケル・ベイ

90~00年代にジェリー・ブラッカイマーと組んでメガヒット作を連発した凄い人。ド派手なアクションと爆発の多さに定評がありますが、今作では製作に回っているため本人は内心ショボーンってしてそう。多分爆発中毒者ですよ、彼は。

ちなみに作中で発生する現実離れした展開は、本国でベイ・ヘムなんて呼ばれています。過剰なアクションシーンとか、短時間で乱発されるハプニングとか、無駄にかっこいい米軍とかですね。(米軍をかっこよく描くから撮影協力が得やすいって情報で笑いました)

あとキャラクターの登場シーンでよくある、キャラクターを中心にカメラが回りながら上昇する撮り方(伝わりますかね…?)。これも彼の発案らしいです。いや、ほんとに実は凄い人なんですよ。

キャスト

ヘイリー・スタインフェルド

バンブルビーと心通わせる少女、チャーリーを演じるのは今をときめくヘイリー・スタインフェルド。2010年公開の映画「トゥルー・グリッド」でアカデミー助演女優賞に最年少ノミネート(なんと当時14歳!)されるという鮮烈なデビューを果たした彼女は今までも数作主演作はありますが、大作映画では本作が初主演ですね。最初に彼女を知ったのが「はじまりのうた」に出てくる年頃の女の子だったので、僕の中では基本そのイメージ。最近だと「スパイダーマン:スパイダーバース」でグウェン・ステイシーの声も当てていますが、こちらもそのイメージ通り。大体擦れてる気がする。

ジョン・シナ

バンブルビーや他のトランスフォーマーと接触する軍人のリーダー格、バーンズを演じるのはジョン・シナ。いわゆるかっこいい軍人枠。あまり知らない役者さんだったので調べてみたら、WWEなどで活躍してた元プロレスラーだったんですね!最近はロック様の愛称でお馴染みドウェイン・ジョンソンや「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のドラックス役で有名なデイヴ・バウティスタなどレスラー出身俳優が増えてきているので、彼もその中の一人になりそうな予感。

ジョージ・レンデボーグ・Jr

チャーリーの近所に住む、黒人の青年メモを演じるのはジョージ・レンデボーグ・Jr。まだ主役級の役は少ないものの、近年の出演作は「スパイダーマン:ホームカミング」、「ブリグズビー・ベア」、「アリータ:バトル・エンジェル」と話題作が多いですね。まだWikipediaに日本語版ページが無いレベルの知名度ですが、今後有名になりそうな気がするので、抑えておけば他の映画ファンに少しマウント取れそうな気がします。効果は保証しません。

感想

以下、感想です。ストーリーに関するネタバレは基本しませんが、演出等の話はするのでその点だけご了承ください!

バンブルビー、オウチ、デンワ

もうこの見出しでわかると思うんですけどね、話としてはトランスフォーマーよりもE.T.に近かったですね。いや、電話したいとは言わないんですけど、地球にやって来た心優しい地球外生命体が子供と触れ合う事で起きるドラマってモロE.T.ですからね!話が進むほどバンブルビーが可愛く見えてくるのも一緒ですね。正直もう予告の時点でそうなんですが、ポンコツ可愛いというか、色々馴染めてない部分が愛おしいです。

個人的には浜辺でチャーリーと会話するシーンがお気に入り。予告でも流れる全く隠れられてないシーンも良いんですが、その前にある変身解いたらチャーリー砂まみれ→それを払ってあげようとするけど更に砂まみれにしちゃうって流れが最高に良い。不器用すぎる。後は気に入らない音楽のカセットをめっちゃ勢いよく吐き出すシーンでも笑いました(笑)

とにかく80年代テイスト

E.T.らしさが全面に出てくるという時点で80年代感たっぷりなんですが、時代設定が1987年という事で他にも様々な80年代らしさが。

まずバンブルビーが地球に来てから最初に観る映画が1985年公開の映画「ブレックファストクラブ」です。青春映画の金字塔として良く挙げられる映画で、近年では「スパイダーマン:ホームカミング」や「ピッチ・パーフェクト」なんかにも影響を与えていますね。他にもメモの部屋に「遊星からの物体X」のポスターが貼ってあったり、「マイアミバイス」に関する言及があったりと80年代に流行した作品へのオマージュがたっぷり。

音楽もBon Joviデュラン・デュランa-haなど80年代のヒットソングがたっぷり。その中でもひときわ大きな役割を果たしていたのがThe Smithです。どうやら監督がめちゃくちゃ好きなバンドらしく、本編でも印象的な使われ方をしています。エンディングまで一貫して80年代音楽なんですが、実はエンディングテーマをヘイリーちゃんが歌っていたと帰宅後に知り、衝撃を受けました。あれ、キミだったんかい!アレンジが80年代っぽさしかなかったから気付かなかったなぁ…。

よくこれでマイケル・ベイがOK出したな…

あ、これ爆発量の話です。紛らわしくてすみません(確信犯)

爆発は他のベイ印映画と比べてだいぶ控えめです。まぁ監督違うんで当然っちゃ当然なんですが、一応ね…。まぁ話の本筋としてはバンブルビーとチャーリーの交流がメインなので、全く問題なかったです。もちろん必要な箇所ではちゃんと使っていますしね(笑)

この話同様、カメラワークやアクションシーンからもベイっぽさはだいぶ薄まっています。そのおかげで画面は結構スッキリしていて観やすいですね。元シリーズみたいに何やってるのかわからん…みたいなシーンはほぼ無いと言っても良いです。これは大きなメリット…かと思いきや、反面ベイっぽさがもっと欲しかったと思う自分もいるので、これがメリットになるのかデメリットになるのかは人によるかも。

基本薄味

前段の話と繋がる部分も多いんですが、本作は基本薄味で攻めてきたなぁって言うのが一番の感想です。個人的にはベイ映画の濃い味っぷりは結構好きな部分だったので、本作は味にインパクトが無くてなんか寂しい気持ちになりました。なんていうんですかね、オマージュ的な部分は結構あるはずなんですけど、こだわりが少なかった気がします。

これは勝手な想像なんですけどトラヴィス監督ってあんまりトランスフォーマーに興味無いんじゃないかなぁ。バンブルビーも敵キャラもトランスフォーマー感っていうか異物感があんまり無くて、ただ図体がデカくて変身できる人間になっていた気がします。サイボーグに近いイメージかな?特に敵キャラはメカとしての特徴やキャラ付けも薄く、あまり印象に残りませんでした。もっとバカバカしい設定とか欲しかった。

あと音楽の使い方が僕にはあまり合わなかったです。ヒット曲はいっぱい流してくれるんですが、もっとシーンに合わせて使って欲しかったなぁ。ほら、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でなんかは音楽聞くとどのシーンかだいたいわかるじゃないですか。これはジェームズ・ガンのセンスがずば抜けているっていうのもあると思うんですが、正直本作は音楽聴いてもこのシーンの曲だ!ってならないんですよ。もしかしたら元曲が強すぎる(他のシーンをイメージできちゃう)のが原因かも。あ、でもThe Smithのシーンは良かったです。エアドラムヘイリーちゃん、良きかな。

まとめ

評価:☆☆☆★★(3/5) 観やすい映画である事は確か。でも個人的には薄味すぎた…

映画批評サイトなんかだとめちゃくちゃ評価高いようなんですが、個人的にはインパクトが足りなかった印象。もっとベイっぽさ出して良かった気がします。薄味すぎてベイ作品観たくなってきたので、ある意味術中にはまっているのかもしれません。とは言ったもののシンプルに楽しく、80年代ネタを知っていれば更に楽しい作品である事は間違いないので、スッキリさっぱり娯楽映画を楽しみたい方へは大いにオススメできます!以上!

今日はこんなところで。ではまた。

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