映画「キャプテン・マーベル」解説&感想 – 正統派ヒーローの異色オリジンストーリーwith猫

アメコミ

こんばんは。猫が出る映画の評価は甘くなりがち、さめおです。

公開がいよいよ1ヶ月後に迫ってきたMCU映画の総決算、「アベンジャーズ/エンド・ゲーム」。この超大作の前にマーベルスタジオが新たに用意したのが、MCU史上初の単独女性ヒーロー映画「キャプテン・マーベル」です!

近年MCUで製作されたヒーローのオリジン映画には「ブラックパンサー」や「スパイダーマン:ホームカミング」などがありましたが、彼らはどちらもその前に製作された「シビル・ウォー:キャプテン・アメリカ」で先に顔見せしていたため、今まで完全に存在が隠されていたヒーローのビギンズものとしては2017年1月に日本で公開された「ドクター・ストレンジ」以来、約2年ぶりとなります!この感覚、久々ですねぇ。

という訳で少し遅れながらも本作を鑑賞してきたので、その感想を。未見の方のためにストーリーに関するネタバレは控えますが、演出や小ネタに関してはネタバレと感じる内容もあるかもしれません。ご了承ください。

あらすじ・予告編

記憶を失ったヒーロー、キャプテン・マーベル。
彼女の過去に隠された “秘密”が、恐るべき戦いの引き金となってしまう。
自在に姿を変える正体不明の敵に狙われ、孤独や不安に打ちのめされても、
彼女は不屈の精神で何度も立ち上がる。
果たして彼女は記憶を取り戻し、この戦いを終わらせることができるのか?
そして、最後につかむ“衝撃の真実”とは…?
禁断の記憶の謎を追う、サスペンスフル・アクションが幕を開ける!

映画「キャプテン・マーベル」公式サイトより
「キャプテン・マーベル」日本版本予告

解説

キャプテン・マーベルも他のMCUキャラクターと同じように、原作コミックのキャラクターが元になっています。しかしその生い立ちは少々複雑で…。

原作でのキャプテン・マーベル

実は原作における最初のキャプテン・マーベルマー・ベルという名前の男性です。しかも純正のクリー人、つまり宇宙人なんですね。本作の主役であるキャロル・ダンバースは彼のストーリーに登場する女性の一人として1960年代に初登場します。キャラクターとしての歴史は中々に古いんですが、この時点で彼女はヒーローではありません。それから10年程経った頃、彼女はとある事故に巻き込まれ、自身の遺伝子にクリー人の遺伝子が混ざってしまいます。これにより彼女は超人的な力を身に着け、ミズ・マーベルとしてようやくヒーロー活動を始める訳です。

それ以降キャロルはバイナリィウォーバードとヒーロー名を改名しつつ活動を続け、2012年にようやくキャプテン・マーベルの名前を引き継ぎます。つまりキャプテン・マーベル=キャロル・ダンバースの期間って滅茶苦茶短いんですよね。この辺りって時代的に女性の社会進出が顕著になっていた頃だったので、それに合わせてマーベルとしても目玉となる女性ヒーローを確立させたかった狙いがあるのかもしれません。実際MCUでも最終決戦の直前というおいしすぎるポジションに配置されていますしね。

ちなみにですが、実はマーベルのライバル企業であるDCコミックスにもキャプテン・マーベルというキャラクターがいます。まぁ昔のアメコミ業界はパクリ合いが横行していたのでキャラクター性が被るのは決して珍しい話でもないんですが、彼の場合は名前が丸被りです。しかも先にマーベルが商標登録を済ませちゃったもんだからこの名前も使えず…。そうして誕生したのが来月DCEUの一作品として映画も製作されているシャザムなのです!つまり僕らは2か月連続でキャプテン・マーベルの新作映画が観られる訳なんですね。うわぁ、贅沢ぅ!

主要キャスト

それでは映画の話に戻りまして…。本作で主演を務めたのは2015年公開の映画「ルーム」でアカデミー主演女優賞を獲得したブリー・ラーソン。彼女はまだ29歳と若く、MCU単独作主人公としては新米スパイダーマンを演じているトム・ホランドに次ぐ若手です。

そんな彼女の相棒キャラとしてMCUで長年ニック・フューリーを演じているサミュエル・L・ジャクソンも出てきます。しかも時代設定が90年代という事で最新技術を駆使して超若返っています!100%フレッシュ!とにかく出演作の多いサミュエルですが、実は2017年に出演した映画「キングコング:髑髏島の巨神」でブリー・ラーソンとも共演済み。今作でも息の合った演技を見せてくれます。(ちなみにこの映画の主役はロキ役でお馴染みのトム・ヒドルストン!)

脇を支えるキャストにはベテランイケメン俳優のジュード・ロウ、最近なんか敵役キャスティングが多い名優ベン・メンデルソーン、4度のアカデミー賞ノミネート歴があるベテラン女優のアネット・ベニングなど。またMCUのフェイズ1で大活躍したクラーク・グレッグ(フィル・コールソン役)、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でヴィランを演じたリー・ペイス(ロナン役)、ジャイモン・フンスー(コラス役)も本作でスクリーンにカムバックしています。まだ毛量の多いコールソンが観られるのはMCUファンにとってポイント高いです!

そして忘れちゃいけないのが、本作でマスコットキャラクター的なポジションとなる猫のグース!本作のメインキャラクターポスターが公開されたときにさらっと単独ポスターを獲得して話題にもなった猫です。本作の公開前にYouTubeへアップロードされた、ただグースを50分間眺めるだけの動画が70万再生されちゃうレベルの人気です。

Marvel Studios’ Captain Marvel | Goose the Cat LIVE!

美猫すぎる…。

主要スタッフ

本作の監督はアンナ・ホーデンライアン・フレックのコンビ。この二人、大学時代に出会い恋人同士となって以降、ずっと一緒に作品を作っているようです。彼らの出世作となったのはライアン・ゴズリングがドラッグ中毒から抜け出せない教師を演じた「ハーフネルソン」という映画。他にも何本か映画を作っているようですが、大作映画は今作が始めてですね。

他のスタッフも(少なくとも僕が知る限りでは)あまり有名な方はいない印象。撮影監督のベン・デイヴィスって人がMCU作品のいくつかに携わっているかなぁくらいです。「ブラックパンサー」ではキャストだけでなく主要スタッフまで黒人メインで固めていたMCUですが、本作は女性メインで固めている訳でもありません。気持ち女性スタッフが多いかなぁくらいの印象ですね。

感想

それではここから感想。冒頭にもある通りストーリーに触れないレベルのネタバレはあるかもしれないので、気になる方は鑑賞後にどうぞ!

そこまでサスペンスフルじゃ無くない…?

今作は正真正銘のヒーローオリジン映画なんですが、その立ち位置は少し特殊です。MCU含むヒーロー映画の1作目って不思議な力を手に入れるそれを使ってヒーロー活動を始めるみたいな流れが鉄板なんですが、キャプテン・マーベルは最初っから結構強いんですよ。そんな強い彼女がとある事情から地球に降り立ち自身の過去を探すという、言うなれば逆走タイプのオリジンストーリーです。最近は「アクアマン」「スパイダーマン:スパイダーバース」という2本の正当派オリジンがあったので、少し変化球気味で良かったです。

ただディズニーさんが宣伝で謳っていた「サスペンスフルアクション」という触れ込み。これ、正直あまり感じなかったなぁ…。別にキャプテン・マーベルの過去は想像を超えるタイプのものではありませんし、敵の正体も途中から薄々、いや結構わかってきちゃうのでそこまでサスペンスを期待する映画ではないかなと。MCUでサスペンス観るなら「キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャー」っていう大傑作もありますし…。

という訳で序盤はちょくちょく退屈な箇所もありますが中盤~終盤の展開はとにかく爽快!キャプテン・マーベルめちゃくちゃ強いんで、ヒーローものとしての爽快感はしっかりあります。強すぎて今後の展開で扱いにくそう感もあるっちゃあるんですが、本作ではとにかくその圧倒的な無双感を堪能しちゃう事をオススメします!

もう一人のキャプテン

MCUでキャプテンと言えばもう一人、キャプテン・アメリカがいますが、なんとなく彼とキャプテン・マーベルは似ていつつ真逆のベクトルにいるキャラだなぁと思いました。キャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャースは元々強い正義感というか自分を持っている人物で後から超人的な肉体を手に入れる訳ですが、キャプテン・マーベルはその逆で肉体的には強いけど自分が何者かわからない状態で戦っているんです。そして自分のルーツを探る中で自分が戦う本当の意味を知り、人間的に強くなっていくんですね。

どちらも規模は違えど戦争中のお話でもあるので、MCU内における二人のキャプテンは似たポジションに置かれているんじゃないかなと思っています。それぞれオリジン作が「アベンジャーズ」、そして「アベンジャーズ/エンドゲーム」という大きな戦いの直前に置かれていますしね。キャプテン・アメリカはエンドゲームで引退する可能性大なので、今後のMCUを引っ張っていくのは彼女かも!

90年代って良いよね

本作は舞台が90年代という事もあり、色々な場面で90年代ネタが出てきます。個人的にはここ、ツボを突かれまくりました!予告編でもある通りキャプテン・マーベルは最初レンタルビデオショップに墜落しますし、劇中に出てくるコンピュータはWindows95だし、シールドの面々がポケベルで連絡取り合っているしである意味超新鮮。

キャプテン・マーベルがニック・フューリーと自分の過去を探す度に出る場面は「リーサルウェポン」とか「ラッシュアワー」みたいな90年代バディムービーまんまだったのも良かった。衣装、音楽も90年代っぽさがこれでもかと出ているので、時代ものとして楽しめる側面もあるかも。個人的には某グランジバンドの曲が流れた際にニヤッとしましたね!

本作はシールドが始めて宇宙の危機に遭遇する話でもあるので、シールドの事を知っていれば彼らの前日譚としても楽しめます。以上にノリの軽いフューリーとか、逆に洒落も通じ無さそうなくらいガチガチに固まっているフレッシュなコールソンとか、彼らを観ているだけでも面白い。そんなね、この時期まだシールドの名前は決まってなかったはずとか野暮な事はいいんですよ。いちいち戦略国土調停補強配備局とか言われても間違いなく頭に入ってこないです(笑)

IMAXで美猫を拝める幸せ

なんだかんだ本作で何よりも大事なのはコレ。いや、ほんと猫派にはたまらない至福の時間なんですよ!マジで!グースはいちいち表情可愛いし、人に寄ってくる動きも理想の猫だし、グースをなでるフューリーまで可愛いしでもう猫映画としては文句なしです。個人的には飛行中Gに耐え切れないグースがベスト級に可愛かった。

なにより作中でこの猫ちゃんは意外すぎる活躍をする訳です。僕はアメコミの情報集めてたときにチラッと見ていたのでなんとなく知っていましたが、それでも初見のインパクトは凄い…。これもある意味ではギャップ萌えなんでしょうか…。なんていうか「メンインブラック」感、あったと思います。

ただのマスコットじゃない、グースの活躍をIMAXで観られるのは今だけ!さぁ、劇場へゴー!

まとめ

評価:☆☆☆☆★(4/5) 序盤は少しダレるけど、徐々に加速していく面白さ!そして猫映画です。

猫でまとめちゃいましたが、ヒーローものとして観ても個人的には良かったです。正直エンドゲーム前だしイマイチでもまぁ許せるかなっていうくらいにハードルを下げて観に行ったので、そこは軽々超えてくれましたね。ただ序盤は世界観の説明シーンが結構多いので結構ダレ気味かも…。地球で色々な人に会っていきながら加速度的に面白くなっていく感じです!意外とMCU全体に絡むネタも多かったので、エンドゲーム観る予定の方は必見。そして猫。可愛い。

今日はこんなところで。ではまた。

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