映画「スパイダーマン:スパイダーバース」解説&ネタバレ感想 – アメコミ世界へ入り込む、新次元アニメーションを体感せよ!

アメコミ

こんばんは。スパイダーマンは好きだけど蜘蛛は嫌い、さめおです。

本日、いよいよあの話題作が公開となります!そう、みんな大好きスパイダーマンの新作映画「スパイダーマン:スパイダーバース」です!しかも今回は実写ではなくアニメで、色々なスパイダーマンが出てきて、世界中のアニメ賞を総ナメにしていると来ているもんですから、もう鑑賞前から期待度振り切ってます!

今回IMAX限定先行上映という事で3/3に鑑賞できたので、一足お先に感想をお届けしたいと思います!感想部分はネタバレ含みますので、未見の方はご注意を。ではあらすじから。

あらすじ・予告編

ニューヨーク・ブルックリンの名門私立校に通う中学生のマイルス・モラレス。実は彼はスパイダーマンでもあるのだが、まだその力をうまくコントロールできずにいた。そんな中、何者かによって時空が歪めらる事態が発生。それにより、全く異なる次元で活躍するさまざまなスパイダーマンたちがマイルスの世界に集まる。そこで長年スパイダーマンとして活躍するピーター・パーカーと出会ったマイルスは、ピーターの指導の下で一人前のスパイダーマンになるための特訓を開始する。

映画.comより
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』予告3(3/8全国公開)

解説

本作の原作としてアメコミ版の「スパイダーバース」があるんですが、そこからかなり設定がいじられています。どちらかと言うと原案くらいなイメージですね。

アメコミ版「スパイダーバース」との違い

まず一番大きな違いは主人公ですね。原作だと皆さんご存知ピーター・パーカーが主役でリーダー格なんですが、本作では黒人系の新米スパイダーマンであるマイルス・モラレスが主役です。これは一本の映画としてスパイダーマンのオリジンをしっかり描くための措置だと思われます。

またスパイダー軍団の規模も大きく違います。映画版では総勢6人のスパイダーたちが力を合わせて戦いますが、原作版だとなんと86人ものスパイダーが登場します。とはいっても1シーンのみの出演であるキャラも多く、しっかり活躍するのはせいぜい10~20人くらいですね。まぁこれでも映画版の倍以上いる訳で、とにかく原作は物量で攻めてきます(笑)

ちなみに今回映画版に出る6人のスパイダーマンは全員原作版にも出ていますが、出番はそこまで多くないキャラもいます。特に日本人の女の子であるペニー・パーカーはあまり本筋に絡まなかったキャラなので、正直映画版への選出は意外でした。

他にも敵キャラが違ったり、設定がシンプルになっていたりといった違いはあるので、スパイダーマンが集まるという設定だけ借りた別物と考えても問題ありません。一応以前アメコミ版の「スパイダーバース」を紹介する記事も書いているので、原作版を詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてどうぞ↓

蜘蛛男だよ!全員集合!アメコミ「スパイダーバース」を読んで映画の予習を。

キャスト/スタッフ

本作の製作陣も簡単に紹介します。

まずは監督。本作は今まで脚本やストーリーボードアーティストなどを担当していたボブ・ペルシケッティ、2012年公開のアニメ映画「ガーディアンズ 伝説の勇者たち」を撮ったアフリカ系アメリカ人のピーター・ラムジー、2014年公開の映画「22ジャンプストリート」の脚本などで知られるロドニー・ロスマンの3人が合同で監督を務めています。またピーター・ラムジーを除いた2人は本作が初監督作となります。

また製作には「21ジャンプストリート」や「LEGOムービー」の監督で有名なフィル・ロードクリス・ミラーがクレジットされています。フィル・ロードは更に脚本も担当しており、本作における独自のアニメーション映像も二人のアイディアが元になっているようなので、監督にも近いポジションだったと思われます。

そしてキャスト陣。主役のマイルスを演じるのは「DOPE/ドープ!!」で有名な若手俳優のシャメイク・ムーア、マイルスの師匠ポジションとなるピーター・パーカー役はテレビと映画両方で活躍中のジェイク・ジョンソン、ヒロインであるスパイダーグウェンは「バンブルビー」で主役を演じる若手女優のヘイリー・スタインフェルドがそれぞれ演じています。またその脇を支えるキャストとしてニコラス・ケイジマハーシャラ・アリなどの大物俳優も。

日本語吹き替え版のキャストも小野賢章宮野真守悠木碧といった実力派が起用されています。大塚明夫玄田哲章といった渋めの声優さんもキャスティングされており、近年稀にみるレベルの豪華さです。他の大作映画でありがちなPR目的のタレント声優もいないため、安心して観る事ができると思います!

感想

それではここから感想。以下ネタバレ含みますので未見の方はご注意ください!

アニメーションもここまで来たか!

本作における一番の魅力は何といってもそのアニメーション表現。既に世界のアニメ映画賞を総ナメにしているためかなり期待値を上げて観に行ったんですが、そのハードルを軽々と超えてしまうクオリティで終始圧倒されっぱなしでした!3DCGで描写されているはずなのに至る所で出てくるアメコミ風の演出、どうやっているのかと思って調べたら、3DCGで描いた世界へ1フレームずつ手書きで線画を入れているみたいです!なるほど、3Dなのにアメコミらしいエフェクトやコマ割りが出てきたのは、こんな気の遠くなるような作業のたまものだったんですね~。

この作り方のおかげで、鑑賞中は3DCG映画というよりはアメコミが飛び出る絵本になりました!みたいな感覚で観る事ができ、その世界観へあっという間に入り込む事が出来ます!アクションシーンにおけるエフェクトや効果音まで、アメコミと同じような表現技法が使われているので、とにかく楽しい!エンドロールのフォントまでアメコミフォントだったし、スパイダーセンスの雷マークみたいな表現も原作そのままで、とにかくアメコミファンのツボを突く演出が多かったですね。

同じマーベル作品であるMCUとは、ある意味真逆のコンセプトで作られた作品だったんじゃないでしょうか。MCUはアメコミをいかに実写へ落とし込むかを重視しているのに対し、本作は映像化する中でいかにアメコミらしさを失わないかを重視していたんじゃないかなーと。本作の作り方は個人的になるほどなぁと感心しましたし、今後作られるアメコミ原作アニメの基準になる作品になり得る作品だとも思います。

スピーディな演出がもたらす軽快すぎる展開

映画としてのストーリーも満点に近いくらい上手くまとまっていたんじゃないかと。近年スパイダーマン映画が作られまくっている影響でもうピーター・パーカーのオリジンストーリーは既視感たっぷりになってしまうんですが(実際「スパイダーマン:ホームカミング」では、半分自虐的にオリジンを省略していましたしね)、本作はマイルス・モラレスという新しいスパイダーマンを主役に据える事で、スパイダーマンのオリジンを描きつつ新しいストーリー展開を作る事にも成功しています。この主役交代、ほんと英断です!

そして異世界のスパイダーマンたちの紹介もスピーディ。あのコミックブックを使ったダイジェスト風演出がこれまたコミックファンのツボを突きつつ、おおよその背景も知れるし最高。ノワール、ペニー、ハムの紹介は細かくやっていたらキリが無かったので、あれくらいで良かったと思います。

その後の展開もマイルスの成長を軸にトントン拍子で進むので、観ていて飽きたりダレる時間が全く無かったですね!最近観た映画だと「アクアマン」も超絶テンポが良かったんですが、話を詰め込みまくったあちらに対して、本作は会話をうまく使って飽きさせない展開にしていたと思います。軽口はスパイダーマンのアイデンティティみたいなもんですしね!

あなたの推しスパイダーは誰?

今作では6人のスパイダーが出てきますが、この選出も絶妙だったなと。原作版だと結構ややこしい背景を持ったキャラがいたり、死ぬために出てきたようなキャラもいたので、そういったキャラをバッサリカットし少数にまとめたのは大正解ですね。それにより描写の余裕も若干できたので、みんなキャラが立ってたと思います。

こんな作りにされたらもう誰推しとかそういう見方もできちゃいますからね。個人的には箱推ししたいレベルでみんな良かったので、キャラごとに感想を。

二代目スパイダーマン(マイルス・モラレス)

最近PS4版スパイダーマンにも出たりと大忙しのマイルスくん。原作版でもある程度のポジションにいたけど、映画版でこんな良い役割をもらえるとは…。彼の特徴である透明化ヴェノムショック(電撃)は原作版で活躍の場がほとんど無かったんで、そこが観られたのも良かった。ホムカミでも思ったけどやっぱり若手が頑張る系スパイディの方が好みです。

初代スパイダーマン(ピーター・パーカー)

ベンおじさんの死が観客に飽きられ始めた事を察知し、とうとう自身の死を選んだ、ある意味一番体を張っていたキャラ。という冗談はさておき、別次元では堕落した生活をしていたっていうのが新鮮でした。メタボ腹で食い意地張ってるけど、ベテランらしくやるときはやるスタイルが良かった。もう少しマイルスとの師弟関係も観たかったなぁ…。

スパイダーグウェン

これは原作版読んだ時から思ってたんですけどね、もう設定キャラデザが強すぎる。あの悲劇のヒロイングウェンが白いスパイダーウーマンになったら、そりゃあ人気出ますよね。あのフードデザイン、天才的ですわ。結構強かったからあんまりヒロイン感無かったけど、異次元スパイディの中では貴重なツッコミキャラとしてしっかり目立ってました。

スパイダーマンノワール

原作版を読んだときから大好きなキャラだったので、動いているところが観られてとにかく嬉しかった。しかも声がニコラス・ケイジor大塚明夫って最高すぎるでしょ!ただかっこいいだけじゃなく、謎の風が吹いていたり、ルービックキューブの色がわからなかったりとコメディ路線に開花してたのも良かったです。欲を言えばガンアクションシーンがもうちょい欲しかったなぁ…。

ペニ・パーカー + スパ//ダー

原作ではまんまエヴァ〇ゲリオンの世界にいるキャラだったんですが、こんなにデフォルメされるともう別キャラですね…。SP//drくんもスターウォーズのドロイドばりに丸っこくなってるし。でも鑑賞後はそれで良かった気もしました。ペニちゃんのザ・アニメキャラなシルエットも良かったし、大変なとこでお菓子バカ食いするのも可愛かったし、SP//drとのラストシーンはホロっと来ました。彼女は日本中に散らばるアニオタのハートをまとめて盗んでいく事でしょう…。

スパイダーハム

彼の選出はまぁ予想通りというか、原作でもひときわ異彩を放っていたので納得です。そして予想通りコメディキャラとしての働きを存分にしてくれるわけですが、意外と他のキャラもコメディパートできちゃっていたので、若干出オチ感があったような…。でもラストバトルでは思ったより強くて活躍してたので、まぁ原作比±0の活躍ですかね。まぁ5人のスパイダー軍団にくっついているマスコットキャラみたいな感じでバランスは良かったと思います(笑)

まとめ

評価:☆☆☆☆☆(5/5) 映像、脚本、キャラクター、音楽、美術などなど…どれをとっても文句無し!

個人的には今年の映画暫定1位です。冒頭からエンドロールまでつまらない時間が1秒も無い、最高の映画体験でした。もうちょっと音楽とか色々感想述べたかったんですが、キャラ感想で結構長くなっちゃったのでカット。しかしどの分野でも最上級の出来で、今後アニメーションのスタンダードになるポテンシャルを秘めた作品である事は間違いありません!是非劇場で!

以上!ではまた。

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